コーヒーを自宅で淹れている方の多くは、こんな悩みを持っていませんか?
「昨日は美味しく淹れられたのに、今日は美味しくない」
「コーヒーの味が毎日変わっているような気がする」
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?その原因をいくつかに分けて探ってみましょう。
コーヒーの味わいは毎日変わる!
まず、コーヒーを自宅で淹れる方の多くが知っておくべき大前提は、「ドリップコーヒーの味わいは毎日変わる」ということです。
たとえば、コーヒー豆は基本的に常温で保管している限り、炭酸ガスが減り、酸化が進んでいきます。深煎りなら焙煎から2,3日、浅煎りなら焙煎翌日から味わいの変化を感じられることでしょう。
ただ、勘違いしていただきたくないのは、焙煎から数日経ったコーヒー豆が、焙煎当日の豆より"劣る"わけではないということ。焙煎当日の深煎りコーヒー豆などは炭酸ガスが多く、ドリップしても味があまり抽出されず、刺激的な酸味を感じることもあります。
そのため、昔ながらのコーヒー屋さんであれば、コーヒー豆は焙煎してから必ず3日経ったものしかドリップしないとか、あるいは販売しないお店もあります。エイジングコーヒーなんてものもありますし、焙煎からの日数はあくまで好みと思ってください。
ただ、いずれにせよ焙煎から日数が経てば、基本的にはコーヒー豆の味が変わることが普通だと知っていただければと思います。
とはいえ、1~2カ月も経てば、多くのコーヒー豆は酸化しすぎて酸っぱくなったり、渋くなったりすることも。こういった極端な酸化を防ぐためには、不透明なキャニスターや不透明なアルミ袋で保存し、飲み終わるまでに時間がかかる場合には冷凍庫で保存しておくとよいでしょう。
※冷蔵庫での保存をすすめる方もいらっしゃいますが、コーヒー豆は匂いを吸いやすいため、個人的には冷凍庫での保存をおすすめします
コーヒーの味のブレは"保存日数だけ"じゃない!
ただ、焙煎からの日数だけでは説明できないぐらい、「昨日は美味しかったのに今日はまずくなった!」と毎日極端な変化を感じる方もいらっしゃいます。断言してもいいですが、こういう方の原因のほとんどは、以下の3つの計量をしていないせいです。
・コーヒー豆の粉量を量る
・豆にかけるお湯量を量る
・抽出にかかる時間を計る
これをやらずに抽出したコーヒーの味を安定させるのは、プロでもとても大変なことで、今や多くのプロがコーヒー専用の量り「コーヒースケール」を使ってコーヒーを抽出します。
「でも、量りを使わないだけでコーヒーの味なんてそんなにブレるの?」と思われるかもしれません。ですが、コーヒースケールが無いと味はかなりブレます。特に初心者のうちはそうです。
たとえば、ドリッパーに付属しているメジャーカップを使っていてもコーヒー豆の量は1g以上ぶれますし、サーバーの目盛りをあてにしてドリップしても湯量は10cc以上ブレます。抽出にかかる時間なんて、数10秒単位でブレていることでしょう。
こうしたちょっとずつのブレが重なって、最後にできあがったコーヒーは日ごとにまったく別物になるのです。
もちろん、なかには「コーヒーの味のブレだって楽しめる」という方もいますが、「味のブレが気になって仕方ない」という人には、絶対にコーヒースケールをおすすめします。
プロは使わないのに素人には必要なの?
「でも、プロのバリスタのなかには量りなんて使わない人もいるよね?」
こうした疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。実際、先ほどもお伝えしましたが、プロのなかには量りやスケールと呼ばれるものを一切使わない人もいます。
バリスタのドリップコーヒーの大会などでも、安定した量を抽出することが技術審査になっていることもあります。
ですが、実際に最近では多くのプロバリスタが量りを使っていますし、普通は量りを使ったほうが圧倒的に安定するのも事実です。ましてや、プロが大会で競うような技術(安定した量のコーヒーを抽出する)を、素人がすぐにマネできるはずもありません。
「家庭のコーヒーの味を安定させるためにはコーヒースケールが必須」と思っておいたほうがよいでしょう。
また、コーヒー豆を購入すると、裏のほうに店ごとのレシピが書いてありますが、そのレシピを再現するのにもスケールは便利です。無いよりは確実にあったほうがいい器具ですので、コーヒー好きならぜひ検討してみましょう。
どんなコーヒースケールがおすすめ?
「量りなら何でもいいの?」と思われるかもしれませんが、コーヒー用には「タイマー」と「量り」が両方備わっているコーヒー専用のコーヒースケールがおすすめ。※最悪、キッチンスケールとスマートフォンで代用もできますが、目移りしてけっこう大変です
コーヒー器具メーカーが作っているものがあるので、それらを使用してみるとよいでしょう。まず、おそらく、国内で一番よく利用されているコーヒースケールが「HARIO V60 ドリップスケール」。
価格帯もコーヒー専用のスケールとしては一番コストパフォーマンスの高いコーヒー器具です。プロもカフェやコーヒースタンドで使っています。
ただ、いくらコスパが良いと言っても、値段のせいもあり、量りのブレやタイムラグなどがあるのも事実。家庭レベルには十分ですが、もう少しこだわりたい方は、性能の良いスケールを検討してもよいでしょう。
最近では、HARIOのV60ドリップスケールと並んで人気なのが、TIMEMOREの スケール。HARIOは電池式ですが、こちらUSB給電式。それぞれ一長一短なので、お好みのタイプをお選びいただくとよいでしょう。
デザインがおしゃれなので、最近はユーザーが急増しているスケールのひとつです。他にもコーヒースケールはいくつかありますが、コーヒー業界で使っている方も多いので、この2つのうちからお好みや目的にあったほうを選ぶのをおすすめします。