アイスコーヒーや水出し珈琲、コールドブリューにダッチコーヒー…。
これらはすべて"冷たいコーヒー"または"冷たいコーヒーの淹れ方"を指す言葉ですが、いまいち違いが分からない方も多いでしょう。
昔ながらの喫茶店に行けばダッチコーヒーと書いてあったり、最近のコーヒー屋に行けばコールドブリューと書いてあったり…。
これらはただ名前が違うだけなのでしょうか?
それとも名前の通り、コーヒーの中身も違うのでしょうか?
アイスコーヒーは冷たいコーヒーの総称
まず、知っておくべきことは「アイスコーヒー」とは冷たいコーヒーの総称であることです。熱いホットコーヒーを氷で急冷して冷たくしたコーヒーも、水出しをして最初から冷たいコーヒーもすべてがアイスコーヒーになります。
そのため、「アイスコーヒー」と喫茶店のメニューに書いてあるだけでは、どんな作り方をしたコーヒーなのかはわかりません。
ホットコーヒーを急冷したタイプのアイスコーヒーではガツンとしたコーヒーの苦みやキレ、フレッシュな香りを楽しむことができますが、水からじっくり抽出したタイプのアイスコーヒーは、苦みが柔らかくゴクゴクと飲めるマイルドなアイスコーヒーになります。それぞれ、お好みがあるでしょう。
このように、作り方によって同じアイスコーヒーで味わいも異なるため、もし気になる方は、お店で「このアイスコーヒーはどんな作り方をしてるんですか?」と聞いてみると面白いでしょう。
POINT! "アイスコーヒー"は冷たいコーヒーの総称
水出し、ダッチ、コールドブリュー
それでは「水出しコーヒー」と「コールドブリュー」「ダッチコーヒー」の違いはあるのでしょうか?
まず、最初に答えをいうと、これらは一般的には同じとされています。
一般的なホットコーヒーがお湯でコーヒー液を抽出するのに対して、水出しコーヒーやコールドブリューは冷たい水、もしくは常温の水でコーヒー液を抽出します。
POINT! 水出し、ダッチコーヒー、コールドブリューは同じもの
水出しコーヒーに比べ、ダッチコーヒーという名前は耳なじみがないかもしれませんが、昔ながらの喫茶店ではいまだにダッチコーヒーという名前でメニューに載せていることがあります。
また、最近の浅煎りのコーヒーを提供するカフェであれば、コールドブリューと書いていることもあるでしょう。これは、コールドブリューという名称がアメリカの浅煎りコーヒーのブームと一緒に日本に入ってきたからかもしれません。
ただ、基本的に名前は違えど、水出しコーヒーとダッチコーヒー、コールドブリューは同じものと考えてもらって構いません。
水出しコーヒーには大きく2つの淹れ方があり、透過〈とうか〉式と浸漬〈しんし〉式があります。こうやって漢字で書くと難しくなるかもしれませんが、カフェや喫茶店によく行く方であれば、どちらも実物を見たことがあるでしょう。
家庭用の水出しコーヒー器具で透過式のものは画像左、浸漬式のものは画像右です。
簡単に言えば、透過式はドリップコーヒーのように水滴が上からぽたぽたと落ちてきて、コーヒー粉の層を通り抜けるので透過式、浸漬式は、コーヒー粉を水にずっと漬けておくので浸漬式と覚えていただくと覚えやすいかと思われます。
どちらも一長一短あり、透過式は浸漬式よりも短時間〈数十分ほど〉で抽出できるものの、家庭用の器具では水滴の落ちるスピードを調整できないため、コーヒー液の濃さを調整しづらいという欠点があります。
また、浸漬式はコーヒー粉を漬けておく時間を長くすれば長くするほど味が濃くなるので、家庭用としては濃さを変えるのが簡単です。ただし、最低8時間ぐらいは漬けておかないと味がしっかりでないため、飲みたいときに作り始めるという使い方には向いていません。
出典::コールドブリュー(水出し)コーヒー | <公式サイト>FBCインターナショナル (fbc-intl.co.jp)
上記のような違いに加えて、浸漬式の水出し器具は、麦茶を作るときのように、冷蔵庫にそのまま入れることができ、出来上がった時にはいつでもキンキンに冷えた状態で楽しめるので、ご家庭で水出しコーヒーを楽しむ方は浸漬式の器具をお持ちの方が多いと思います。
POINT! 水出しコーヒーには透過式と浸漬式の2つがある
こうした器具を買う以外にも水出しコーヒーバッグを買うというのも手です。当店でも販売していますが、最初からバッグに入っているため、コーヒー粉を捨てる手間がなく、便利というのがメリットです。よかったら、こちらもぜひお試しください。
水出しコーヒーは抽出温度でも味わいが変わる
さて、水出しコーヒーやダッチコーヒー、コールドブリューは同じ常温以下の水で抽出したコーヒーとお伝えしました。
ただ、自宅で作る際のポイントとして、常温の水と冷たい水で作った場合の味わいは異なるということも知っておいてほしいポイントです。
基本的により低温で抽出したほうが苦みなどがマイルドに感じられます。
そのため、苦みが苦手な人やゴクゴクと飲めるすっきりした水出しコーヒーが飲みたい方は、抽出する水に氷を混ぜる、水出しバッグを水に浸す際に冷蔵庫など冷たい環境の工夫をすると、よりスッキリした水出しコーヒーが楽しめるでしょう!
水出しコーヒーの作り方については、下記の記事で詳しく書いているので、ぜひこちらもご覧ください!